ボストンの語学学校から、Cypress Collegeそして、UC Berkeleyへ進学し心理学を専攻して学士号を取って帰国するまでのエピソード

Golden Bears Aikido Clubについて

  • Golden Bears Aikido Clubの創部の経緯と活動について写真を交えて紹介します。

きっかけ
2011年当時まず驚いたことは、UC Berkeleyという大きな大学に合気道部が無かったという事実でした。聞くところによると、今までに幾つか合気道部が作られては消えていったという歴史があるそうです。UC Berkeleyの校風と合気道の精神性は絶対に合うと確信していましたし、合気道という日本が世界に誇れる武道がUC Berkeleyには絶対に必要だという考えを持っていましたのでCypress CollegeでのThe Japanese Club創設の経験を活かして新しく合気道部を立ち上げることにしました。

指導者
ただ、当時合気道歴5年程度の自分では、人に教えることは考えもつかないことなので、近郊の道場を訪ねて部の指導をしていただける師範の方を探すところから始めました。高名な日本人の師範に頼んだのですが、断られてしまいがっかりしているところに、公園で早朝に合気道を無料で教えている人をネットで見つけ、出会ったのが合気会合気道4段のBrandonでした。話をしてみると公園で合気道を教えているのは、合気道をコミュニティーに広めることで地域住民の繋がりをつくりたいからで、合気道の精神で平和な争いの無い世界を作りたいと願っているとのこと。感動しました。白人のアメリカ人でしたが、合気道の技も素晴らしく部の指導をしてもらうならこの人だと決めて一緒に合気道部を作ってくれないかと頼むと是非挑戦したいと言ってくれて、先生には、自分を信じて協力してくれたことに今でも感謝しています。ただ、やはり二人の育った文化の違いは大きく、事務的な手続きの責任者である部長としての私と合気道指導者としてのBrandon先生とは何度も意見がぶつかりました。先生は、話し合う文化の中で育ってきた方なので、考えていることはお互いに説明して部の運営が出来たことが部を軌道に乗せることが出来た秘訣だったと思います。

Phisical Education Department
調べてみると、UC Berkeleyには、正式にMartial Arts Programとして、UC Berkeleyに認められている格闘技の部活動が6つあることが判明しました。それらの部は校内にある体育館を使って部活動をおこなっていて、しかも、6つのうちの3つの格闘技クラブの師範たちは、正式なUC Berkeleyの授業として格闘技を教えてもいました。もし、自分たちが今から立ち上げようとしている部が7つ目の部活動になれて、合気道がUC Berkeleyで授業の一環として教えられてさらに普及し、BrandonもUC Berkeleyで合気道の授業を教授出来るようになれば素晴らしいことだと思いました。

D教授
6つの格闘技クラブを統括しているのがD教授であることもすぐに判明しました。実は、UC Berkeley近郊には少なくとも5つ程合気道の道場が有り、ほとんどの道場には、UC Berkeleyの生徒が在籍していた時期があって、合気道部を作りたいという嘆願は何度もなされていたそうです。ですが、ことごとくその要求を撥ねつけていた人物がD教授のようでした。噂では、D教授は韓国出身で、日本のことを嫌っていると言われていました。実際、Brandon先生が週に何度か合気道を教えているAikido of BerkeleyもD教授に合気道部を始めることを拒否されたことがあるという事でした。Brandon先生によるとD教授が責任者である限り合気道部を立ち上げるのは難しいだろうという話でした。しかし、UC Berkeleyでそのような差別があるとは考え難く、とにかく自分で直接会って話しを聞いてみることにしました。

Conflict of Interests
D教授にメールを送り、面会を申し込み、実際に会って合気道部を立ち上げたい旨を伝えましたが、D教授の答えはやはりNoでした。D教授によると、以前、UC BerkeleyのPE Departmentには、多数の格闘技部が所属しいた時期があり、指導力に疑問のある師範が稽古を主導したりして、事故などの問題が頻発していたそうで、6つにまで減らしたそうです。その6つとは、日本の武道である、空手と柔道、中国のTaiji(太極拳)とWushu(武術)、それから韓国のTaewondo(テコンドー)とYongmudo(ハプキドーの別名)でした。特に、すでに韓国の武道であるハプキドー(漢字で合気道と書きます。)が6つの格闘技部の中に存在しており、色々な大会で良い成績を残してきた優秀な部で、似たような日本の合気道部を現段階で認めることは、学生に混乱を招くので出来ないという事でした。面会の最後にD教授からは、合気道部の立ち上げという不可能なことを考えるよりも、ハプキドー部に入ることを勧められてしまいました。

Student Government
D教授の言われることには共感できる部分もたくさんありました。だからといって合気道部創部をあきらめる気はさらさらなく、教授との面会が終わったその足で、正式名称が The Associated Students of the University of California (ASUC)というStudent Governmentのオフィスに向かい、Student Organizationとして部を正式に立ち上げることを相談しました。1960年代の フリースピーチ・ムーブメント (Free Speech Movement) に代表されるように、UC Berkeleyは非常にリベラルな校風で知られていて、校内には、絶大な力を持つStudent Governmentが存在しています。とりあえず、彼らの力を借りて、PE Departmentに所属しない形で合気道部を発足することに考えを切り替えたのです。合気道部を正式に発足させて、部員数を増やし、日本の合気道に対する学生の関心の高さと、Brandon先生の指導者としての適正をまず証明しなければならないと考えました。そのうえで、D教授には、Student Unionの力を借りてPE Departmentに部が所属できるように働きかけるのが一番良いと考えました。このことは、自分が在学中では不可能であったとしても、数年間部が存続し、部員数が増えれば不可能ではないと考えました。他の格闘技と比べても、合気道の魅力は勝るとも劣らないと信じています。

名称
Student Organizationとして認められる可能性が出てきて、正式名称を決めなければならなくなりました。我々としてはBerkeleyという単語をクラブの名称の一部として使いたかったのですが、ASUCの決まりで、Student Organaizationには、BerkeleyやCalなど学校自体を表す単語を使ってはならない規則が有り、学校のマスコットで、学生のことも表す、"Golden Bears"という表現を使い、"Golden Bears Aikido Club (GBAC)"または、"Golden Bears Aikido (GBA)"と部の名前を命名しました。

Student Organization
第一回目のミーティングを経て、部長を含めた6人の役員を選定し、何か問題が生じたときに責任をとわれる、3人の保証人になってくれる人たちを募りました。私が部長に選ばれ、保証人にもなりました。 私と他2人の役員とで、ASUCで部の概要をプレゼンテーションで説明し、審査がすすめられ、正式なStudent Organizationとしての活動を許されました。このことで、補助金をもらいましたし、校内の広告用ボードにポスターを張ったり、専用のWebsiteを学校のサーバーに持てたり、教室や屋外スペースを無料で借りたりできるようになりました。しかし、体育館は、Phisical Education Departmentがその使用権を保持しており、マットが敷いてある武道場やマットを借りることは不可能でした。

活動
まず、屋外のFaculty Gladeと呼ばれる芝生の場所を週に一度借りて、木刀や杖を使った武器の稽古を始めました。それから、Brandon先生が大学の近所の空手道場を時間貸しで借りてくれて、マットの上で本格的な合気道の稽古をするようにもなりました。このころから部員達でわずかながら月謝を払い先生に納める形をとるようにしました。それから、Upper Sproul PlazaやLower Sproul Plazaでデモンストレーション兼稽古を開催したり、International Houseの催しに参加したりして、部員の数を増やしていきました。

The Yearbook
UC Berkeleyには、Blue & Gold Yearbookという卒業写真集のような位置づけの本が有ります。新しく創設された部の中で、今後活躍が期待される部として、2011年版のYearbookにGBACが見開き1ページで取り上げられました。部の功績がこのような目に見える形になって記録に残されたことは非常にありがたいことでした。

現在
現在でもGolden Bears Aikido Clubは存続し、活動しています。週に一度は校内のFaculty Gladeで武器の稽古、月に一回は、Upper Sproul Plaza (Savio Steps)にマットを敷いてデモンストレーション兼、公開稽古をしています。Brandon先生の先生筋にあたる人にKayla Feder先生とおっしゃる方がいて、今年(2012年)、Berkeley市内にAikido of Berkeleyというご自分の道場をRichmondから移転されてきました。North Berkeleyの駅から程近い場所にあります。Berkeley近郊に行かれる合気道家の方たちには、是非ビジターとして訪ねて欲しい道場です。Brandon先生はその道場の指導員もされているので、部のメンバーもその道場で一緒に稽古しています。
Kayla先生は合気会合気道6段に列せられていて、岩間の斉藤先生の道場で内弟子として過ごされていたこともある方です。腕力に頼るような合気道ではなく、伸びやかで、気力の充実した大変すばらしい技をなされます。

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初めてのミーティング

記念すべき、第一回目のミーティング時の様子です。まだ、Student Organizationとして認められていなかったので、教室を借りることが出来ず、Free Speach Movement Cafeでの開催となりました。

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デモンストレーション

Lower Sproul Plazaに マットを敷いて、さらなる部員獲得の為に、合気道デモンストレーション兼、公開稽古をおこないました。ブルーのマットは、当時Richmondにあった、Aikido Of Berkeleyからお借りしたものです。場所を確保するための大学への申請や事故が起きた時の保険の購入など部の役員と分担しながら開催します。

Faculty Glade

小雨の降る中、Faculty Gladeで武器技の稽古です。武器の使用についても校内にある警察署に書類を提出して認められる必要が有りました。部の役員の中には木刀をwooden swoadsでは警戒されるのでtraining sticksと表記して申請しようと提案した人もいたのを覚えています。

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OSKIs Leadership Awards

Student Unionが開催する、年に一度の授賞式、OSKIs Leadership Awardsに参加しました。合気道部は2011年に新しく出来たクラブで、特にすばらしい功績を残したクラブに送られる賞にノミネートされ、受賞は逃しましたが、このようなセレモニーに部として参加できたことは良い思い出です。

GBACのサイト ASUCが提供してくれたGBACのサイトです。技術的に扱うのが非常に難しいらしく、現在は更新がストップしています。
ASUCのGBAC の紹介ページ ASUCのGBAC の紹介ページです。このサイトも情報が古いままです。
GBACのサイト Brandon先生の作ったGBACのサイトです。こちらがメインのサイトになっています。

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